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【BEYOND 感想2】おかわりしてきたので1曲ずつ感想を

以前、浅田真央さんのアイスショー「BEYOND」の山梨公演の感想をアップしているのだが、

spica-mic.hatenablog.jp

3月の東京(立川)公演を追加できた。

2回目だからこそ、1回目よりは情報量がある状態でみられたのと、パンフレットをゲットしたこともあり、さらに1曲1曲楽しめたので、1曲ずつ感想をまとめておきたい。

Sing, Sing, Sing

ジャズのスタンダートナンバー。
2008-2009シーズンのEX使用曲でもあるが、ダンスの先生 HIROMIさんによる振り付けで、いよいよ始まるぞ!というワクワク感が素晴らしい。

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宣伝などにも利用されている衣装で、この楽しいエンターテイメントが始まります!乞うご期待!感が素晴らしい。

みんなが揃っているパート、スケーターそれぞれが個性豊かに技を見せつけているところ、いろんな場面があって欲張りセットみたいな華やかなオープニング。
これから先の演出に期待が高まる。

I Got Rhythm

ガーシュウィン作曲のジャズのスタンダードナンバー
ジャズが続くが、シングシングシングとはがらりと雰囲気を変え、可愛らしくてお茶目な印象

2012-2013のSP使用曲で、現役時代のプログラムとしても同年のFSの白鳥の湖と並んで大好きだった。
ローリーニコルさんが真央さんが練習が楽しくなるようにと振り付けたあのプログラムは思い出深くて、そんな過去もふと脳内をよぎる。

おそらく舞台は田舎のカフェ。
9人の男女が和気あいあいとした雰囲気で踊ったり、飛んだり跳ねたり。
アドリブと思われる掛け合いも多くて、関係の良さがほほえましい。

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ラヴェンダーの咲く庭で

2007-2008のSP使用曲

それまでのお茶目な雰囲気から一転、美しい旋律に今井遥さんの可憐だけどどこかパワフルさもある伸びやかなスケートが銀板を彩る。
彼女の持ち味でもある可憐さと力強さの両立がこんなに映える作品もそうそうないであろう。

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途中からは柴田嶺さんも登場して、近づいては離れていく切ない大人のラブストーリーに。

おふたりのスケーティングが素晴らしいのはもちろん、映像と照明の演出が美しくてため息の出そうな空間を作り上げていく。

Say Hey Kid

ラヴェンダーの美しい余韻に後ろ髪をひかれつつもまたまた雰囲気の異なる新しい場面へ。
ネオンが光るオシャレなNYの街並みを舞台とした松田悠良さんメインの場面。

真央さんが小学生の時に滑った楽曲(2001-2002、2002-2003のSP)
当時の振り付けを活かした部分もあり、そのころを知る人にはたまらなかったのでは?

私はそのころの真央さんの演技は観ていないのだけれど、可愛らしさとパワフルさを兼ね備える松田悠良さんの大人のかわいさとよくマッチしている。
マルティネス・エルネストさんの誠実な感じも良い。

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Pick Yourself Up

つづいて田村岳斗先生を真ん中に、中村優さん山本恭廉さんのおしゃれな夜のシーン。
帽子やジャケットプレイが見どころのとにかく小粋なナンバー。

2004-2005シーズンのEXナンバーだが、女性シンガーではなく男性シンガーの歌うバージョンを採用。

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田村岳斗先生はとにかくこういうのが巧すぎるし、必死についていこうとしているボーイズ2人(中村・山本組)がかわいい。

初見後、帰りのバスで「田村岳斗 かっこいい」でツイッターの感想を漁りまくったのも記憶に新しい。やまとせんせいかっこよすぎるよー!

シェヘラザード

フィギュアスケートの試合ではもはやおなじみで、真央さんは2011-2012のSPで使用したこの曲。

試合プログラムではあまり物語は見えてこなかったが、今回は王の愛妾ゾベイダと美しい奴隷が戯れる妖艶な場面を浅田真央さんと柴田嶺さんのペアスケーティングで表現する。

張り詰めた空気の中、美しい肉体美をたたえ、互いに惹かれ、誘惑し、官能的に絡み合う。
見てはいけないものを見てしまったようで、それでもあまりにも高貴で美しくて、目が離せない。

浅田真央さん、フィギュアスケートアイスショー、すべての領域において新しい境地にたどり着いている大傑作。

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そういえばBEYONDは真央さんはペアスケーティング初挑戦!という触れ込みで広告も打たれていたように思う。
たしかにアイスショーとかでおためしペアみたいなのはやったことあっても、高々とリフトであげられたり、スロージャンプ跳んだりは初だったはず。

それでも初挑戦というドキドキ感、出会い感を一切感じさせず、表現のためにリフトだったりスロージャンプだったりといった技が存在していた。
作品としての完成度が高く、表現に欠かせない要素としてペアスケーティングがあった。

カルメン

4人の女性によるカルメンと男性陣の闘牛士が登場。

試合では曲をたっぷり使うことはルール上できないけれど、ショーならではの組曲形式。
2006-2007のEXで一部使用していた。

まずはレオニーさんが登場し、続くは今原実丘さんのアラゴネーズ、
小山渚紗さんがかの有名なハバネラ、
今井遥さんのジプシーの踊り、
男性スケーター3人(エルニさん中村優さん山本恭廉さん)の力強い闘牛士の歌
そしてみんなで華やかなフィナーレ

4名のそれぞれのカルメンの個性が衣装にも表れていて、凝っている。
男性陣マタドールの衣装も刺繍が細やかでテンションが上がる。

なによりもタンバリンをもって舞う今井遥さんがかわいすぎる。

バラード第一番

2010-2011のEX使用曲。
今回の真央さんのソロ曲2つのうちのひとつ。

選手時代ノクターン第2番や幻想即興曲など複数のショパン楽曲で滑っており、ショパンとの相性の良さは折り紙付き。
軽やかなスケーティングや纏う空気がよく合う。

ショパンの中でも弾くのが難しいこの楽曲は、ピアノの詩人らしい軽やかさとともにどこか力強さも漂っている。
そんな軽さの中の強さをが今だからこそできる表現で魅せてくれた。
まさにBEYOND

幻想即興曲

2007-2008のFS使用曲。世界選手権ではじめて優勝したときのプログラムでもある。

2007-2008シーズンと同じく、ピアノソロ版ではなく、弦楽器の旋律が印象的なアレンジ(で試合用のカットがない演奏)だけれど、ダンサーでコレオグラファーのSeishiroさんが振り付けた群舞で、プログラムによると「愛」をテーマとした作品になっている。

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コンテンポラリーを思わせる振り付けが採り入れられ、群舞がさざ波のようにゆらぎ、うねりをもって進んでいく。

これまでの幻想即興曲のイメージとも、フィギュアスケートのイメージとも異なる、新たな可能性を感じる前向きな愛の作品。

タンゴ

シュニトケ作曲のタンゴ。
2010-2011シーズンのSP使用曲だがびっくりするぐらい当時の記憶がない…。

繰り返しなのに緩急のある曲を男性陣で順番に紡いでいく。
大きなジャンプはやっぱり盛り上がるし、岳斗先生はやはりこういう大人の表現が似合う!

白鳥の湖

2012-2013のFS使用曲。
かの有名な黒鳥の32回フェッテを想起させる鬼ステップが印象的だった。そのシーズンのSPアイガットリズムとEXのメリー・ポピンズメドレーと合わせて思い出深いシーズンだった。

アイスショーということで場面をぐぐぐと拡大し、まるでひとつの舞台を見ているような小作品として仕上がっている。

白鳥たちの群舞から始まり、幻想的な空気がリンクを覆う。
バレエではコールドバレエの人数がかなり多く、フォーメーションを活かしたところが印象的なのだが、今回の座組はそこまで人数はいない上、ほとんどの舞台寄りリンクのほうが広いので、広さを活かした伸びやかな動きが印象的で幻想感を高めている。

そしてオデット真央さんの美しいこと。
よく鍛えられた身体美なんてまさに白鳥そのものだし衣装も繊細で美しい。

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王子役として柴田嶺さん、ロットバルト役として田村岳斗さんが登場し、背景(映像)や照明も作りこまれもはや一つの舞台である。

試合では黒鳥の要素も入った白鳥の衣装で魅せてくれた真央さんも完全に白鳥だったので、今回はオデットメインで行くのかと思いきや、お召し替えで黒鳥オディールとして登場!
初めて観たときは良かったオディールもあったと安堵の気持ち半分、残り半分は高ぶった!!!!

黒鳥オディールはとにかくカッコよくて力強くて妖艶で技巧的でもあって、今だからこその表現が詰まっていた。

そしてなんといってもグランパドドゥのコーダの32回フェッテをイメージした部分。
リンクを広く使ったスケートならではの表現でとにかく場が盛り上がった。最高だった。

チャルダッシュ

2006-2007のFS使用曲

白鳥の湖の雰囲気とは打って変わってヨーロッパの民族的な衣装がかわいいシーンに。

演奏会ではアンコールに使われるなど、曲そのものが終盤に向けてグイグイ盛り上げていく曲。
みんなのサービス精神も旺盛で楽しい。

にしても白鳥直後にこれやってる岳斗さんヘビーすぎない?

カプリース

もうひとつの真央さんソロ
2009-2010のEX使用曲

超絶技巧に、貫禄をも感じさせる表現力、会場の熱気もピークになる。
華やかさは昔から変わらないけど、艶やかさも加わりもはや最強。

ツイズルは美しすぎるし、あんなに踏んでいるのに他の人のクロスぐらいのスピードで駆け抜けていく。

にしてもよくこんなの振り付けたよなあタラソワ先生。

こないだ久しぶりにYouTubeで世界選手権のカプリースを観て、当時は鬼エキシ〜って思ってたはずなのに、BEYOND後だと物足りなさすら感じる。成長おそるまじ。

愛の夢 第三番

2010-2011と2011-2012のFS使用曲
やわらかな振り付けが印象的な群舞。

群舞とは言っても個々で滑ったり、お互いに連携したり、いろいろな場面がある。
近づいて連携するところは曲名の通り、まさに愛を確かめているような雰囲気すら感じた。

音ズレというかステレオの左右差がやばいけれど、オリコンさんが辻井伸行さんたちが生演奏したときをのせて下さっていますね

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BEYOND

今回のオリジナル楽曲で感動のフィナーレ。

テーマはフェニックス(不死鳥)ということで大きな翼を得たスケーターたちが力強く、でも繊細にリンクを駆け抜けていく。
スケーターたちみんなすごく晴れやかで優しい笑顔を浮かべていて、こちらも思わず笑顔になってしまう。

不死鳥といっても力強いだけでなく、どこか優しさを力に変えたような、優しさや愛が力の源になっているようなやわらかなたくましさをもって90分ノンストップ*1のショーが感動のフィナーレを迎える。

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さいごに

全体的な感想はこちらの記事↓

spica-mic.hatenablog.jp

*1:実際は2時間近くある