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【レ・ミゼラブル 2021年公演 感想】もがきながら必死に生きる人々の物語

緊急事態宣言の発令もあり、幕が上がるのかとひやひやした2021年のレミゼも、無事に東京千穐楽を迎え、明日からはいよいよ博多座公演が始まるんだとか*1

東京に引き続き全国でも無事に感想できますように。

そしてありがたいことに私は帝劇で2回(6/5マチネと7/10マチネ)観劇することができた。

実は私はレミゼを観に行ったことがなくて、今年がレミゼデビュー。
ほんとに幕が開いてよかった…!

www.tohostage.com

というわけで感想です。

やはり曲が強し

レミゼはなんと言っても曲が良い。

最初の、ジャッジャーン!!!パッパパーン!!!で、最初の脳から汁があふれて感情がバグってしまう。

youtu.be

さらに、単純に曲としていいのはもちろんなんだけれど、それ以上に物語を語る手段として最強なのがすごい。

もし仮に歌詞が聞き取れなくても、
演者さんの演技力が不足していてもレミゼの出演者さんは皆さんとても素晴らしい役者さんばかりなのでそんなことはないけれど)
メロディーというか旋律を丁寧に歌っていれば、観ている側が感情に入り込めるような、そんな音楽ばかり。

そしてその魅力的な曲をさらに強力なものにしているのが演者の皆さん
レミゼプリンシパルもだけどアンサンブルが素晴らしいので、なんか厚さを感じるのがとても良かった。

さらにオケもバーンと迫るものがあってさらに良さを引き出してて。
私は生オケなら何でも万歳とは思えないくらいにはひねくれてるんだけれども、レミゼはとてもオケが良かった。
まあ最近オーケストラのコンサートにはあまり行かず、聞いてるのがオペラ座や宝塚というのは関係ないとは断言できないが

素晴らしいキャストの皆様たち

6/5マチネと7/10マチネの2回観劇したんだけれど、キャストはこんな感じ

役名 6/5昼 7/10昼
バルジャン 佐藤隆紀 佐藤隆紀
ジャベール 伊礼彼方 川口竜也
ファンテーヌ 二宮愛 和音美桜
エポニーヌ 屋比久知奈 生田絵梨花
マリウス 竹内將人 内藤大希
コゼット 加藤梨里香 熊谷彩春
テナルディエ 駒田 一 駒田 一
マダムテナルディエ 樹里咲穂 谷口ゆうな
アンジョルラス 相葉裕樹 小野田龍之介

アンサンブルの方は目が足りなく追いきれなかった分もあるので(ごめんなさい)プリンシパルの方だけそれぞれ一人ずつ感想を。

バルジャン/佐藤隆紀

私が見に行った2回ともシュガーバルジャンでした。

やっぱり歌がいいよね。

そして1回めより明らかに2回目のほうが進化していて、だからいろんなキャストで何回も見るのもいいんだけど、同じキャストで複数回見るのも最高なのよ。
まあ何回も見るには高いが、それだけの価値はある。

他のバルジャンにあまり詳しくはないのにいうのはどうなんだ?と思うのもあるんだけど、佐藤さん自身が持つノーブルな感じと、バルジャンのも荒っぽさ(?)がアンバランスでそこが良かったというかクセになるというか、とにかくよかった。
こう書くと全然賞賛している感じがしないのだけれど、本当にノーブルではあるけれど、声量含めパワーもある方なので荒っぽさがないわけじゃないのであってないというわけじゃなく、ただ荒っぽい一辺倒じゃない感じが特によかった。
もちろん荒っぽい系でもその中でいろいろ表現してくれたらとても好き。

ジャベール/伊礼彼方・川口竜也

一番難しい役なんじゃないかと思ったジャベール

伊礼ジャベはなんといってもバルジャンとの対決のシーン(たくさんある)が素晴らしい。
冷酷さと理性と完璧ではない人間臭さが共存している感じのジャベ。

川口ジャベは、正しいと思っていた自分が少しずつ揺らいでいって追い込まれていく葛藤が素晴らしすぎて、こちらの胸を打って私が情緒不安定になる感じがえぐかった。素晴らしい。

私が見に行った7/10マチネが初めての佐藤バルジャン・川口ジャベの組み合わせだっただったそう。
これからどんどん演技上のコンビネーションというか間合いなどがあったまっていくのかと思うと楽しみでしょうがない。チケットないけど。
にしても2019年に共演してないのは年齢的な理由だそうだけれども、カテコというか舞台挨拶の時に「おいくつですか?」って聞いてたのは、アンサンブルの誰かが「楽屋でやってー!」ってヤジを飛ばしてたの含めてめちゃめちゃ面白かった。ほんと楽屋でやって笑

ファンテーヌ/二宮愛・和音美桜

二宮ファンテはなんかどこかふつうのひとっぽさがあるので、身を崩していくところが痛々しくて。

和音ファンテは包み込むような包容力と、母の強さが共存した歌声が素晴らしい。
特にエピローグのお迎えに来たところが尊すぎてアホみたいに泣いた。

エポニーヌ/屋比久知奈・生田絵梨花

屋比久知奈ちゃんはモアナの頃から本当に大好きなのですごく楽しみにしてた。
ただ目の前に生きてるエポニーヌがいて素晴らしかった。

いくちゃんはエポだけじゃなくて、そもそも生で見たのが初めてだった。
なんだか超真面目なんだなって思った(エポニーヌではなくいくちゃんが)。
キャラはコゼット向きだけど、音域はエポニーヌのほうがあってるのかな?

ほんとはふうかちゃんのエポも見たかった!悔しい!

マリウス/竹内將人・内藤大希

マリウス登場シーンはマジで申し訳ないことに、エポ・コゼかアンジョルラスに目を奪われていてあんまり印象に残っておらず…。ごめんなさい…。

あとでまた書くけど、レミゼはほんとうに目が足りなくて困る。

(単純に私がそこまでマリウスそのものが好きじゃない説もある)

もっといっぱい見たら印象が変わりそうだなとも思う。

コゼット/加藤梨里香・熊谷彩春

コゼットまじでかわいすぎませんか????
可憐!瑞々しい!愛おしい!

にしてもA Heart Full of Loveが私のタイプドスレートすぎる。
マリコゼの初恋特有というか若者の恋特有のみずみずしさに、せつなくけなげなエポニーヌが絡んでいく感じが愛おしくて。

あーーーコゼットかわいいなーーーー!!!!

アンジョルラス/相葉裕樹・小野田龍之介

アンジョルラス、とにかく好き。

相葉アンジョルラスはとにかく輝いてた。
スタイル、華、カリスマ性ピカイチ。
ついていきたくなっちゃうスーパーリーダー、というかとにかくかっこよくて大好き。

小野田アンジョルラスはとにかくお声&歌がいい。
爽やかなんだけど、人間臭さも強くて説得力があってこちらも最高。
あと死ぬシーンが美しすぎてね…。

とにかく目と脳のキャパが足りない

1か月ぐらいあけて2回観たわけだけど、なんというかまだ追いきれなかった部分がいっぱいあると感じてるし、追うことができた部分すらも消化しきれてないという思いが強い。

プログラムの後ろの方に香盤表がついていて、みなさんのバイト情報(笑)も見ることができるんだけど、とても真ん中を追いかけるのでいっぱいいっぱいでそこまで目が回らないというか。
エポやコゼの娼婦バイトとかほんとはめっちゃみたいけど観劇中はそこまで追いつけなかった!笑

バイトに限らず、誰かを観ているとき、ほかを見逃してるかも!っていう感覚が強い。

そしてストーリーに関しても自分の中でまだ落とし込みきれていない。
けれども貧困だとか、革命の激動のなかを、自分の身を嘆いたり悲しんだりしつつも、もがきながら必死に生き、そして死んでいく登場人物たちが美しくて、そこに愛だとか正義だとかが絡んでいくことだけは何だかわかって、胸を打つ。

複数回観てもわからないところがいっぱいあって、演者によっても表情を変えてくるのが、この作品の魅力でもあり、人々を長年ひきつけてやまない根源なんでしょう。

さいごに

今まで見に行ったことがなかったのだけれども、今回観に行くことができてお化け作品だなと思うとともに、それを支える演者さんや演出、音響などすべてが最高峰でただただ圧巻だった。

大変なご時世だけれども、無事に全国乾燥して、たくさんのお客さんがこの世界を味わえますように。

*1:この記事をアップしたのは2021/8/3