今週のお題「読書感想文」
ちょっと前にTwitterで読書感想文不要!みたいな意見がバズっていたときにいろいろ思うことがありまして。
その時は結局文章にはせず、頭の中でもやもや考えてただけなんだけど、せっかく今週のお題が「読書感想文」なのでここでちゃんと文章でまとめておきます。
結論からいうと、読書感想文は必要だと思う。
まあ頼まれてもないのにブログに映画の感想だのなんだの書いてる身なのでそれはそうって感じだけれども。
私が読書感想文が必要と考える理由は2つ。
- 書くことは対象と向き合うことだから
- 文章を書く練習のネタとして読書はちょうどいい
以上。
というのも味気ないので順番に補足を。
書くことは対象と向き合うことだから
文章を書くっていうのは不思議なことである。
書くことはなんとなく頭にあっても、紙とペンあるいはワープロソフトを広げていざ書こうとするとなかなか言葉が出てこない。
書く内容は頭の中にあるはずなのに。
頭の中でもやもやと考えていても、いざアウトプットしようとするとできないことがよくある。
その理由はいろいろあるとは思うが、文章にするほど考え方を固めるのはかなり用心深く考えなきゃいけないからというのは一つだろう。
考えた気になっていても、文章にまとめようとするにはぼんやりとした感情のままだな、ということはよくある。
文章にする過程で自分の考えと時間をかけて向き合うことになる。
本を読んだとき、例えば「おもしろかった」という感情ひとつとっても、この7文字で終わってしまわないで、文章にする過程でひとつひとつ考えることで、自分だけの想いに向き合うことになる。
同じものを読んでいても人によって刺さるシーンは違う。
同じシーンが好きな者同士でも、好きになった背後にあるもともとの考え方や経験はバラバラだ。
それにおもしろいには様々な類語があるけれど、その気持ちに近い言葉は何だろう…?
これらを考えるためにはきちんとその本の内容を理解することが必要だ。
だから、本も読みっぱなしでたくさん読むのも大事だけれども、
たまには読んで思ったことを文章にしたためることで、本から得られることを増幅することが出来る、と私は思う。
だから、感想文は必要だ。
文章を書く練習のネタとして読書はちょうどいい
先ほどとはちょっと視点を変えてみる。
なんで文章を書く題材として読書が選ばれているのだろう。
別に本を読んだ感想じゃなくても、いろいろ考えたり思ったりしたことを文章としてまとめることは大事だ。
そして文章って書かないと上達しないし、急に書けといわれても書けるようなものではないので、訓練が必要だ。
それでもなんで読書感想文が定番の課題として選ばれてるのだろう…?
まずひとつは半強制的に本を読ませるため。
本を読む習慣が勝手に身についている子もいるけれども、そうじゃない子もたくさんいるので、せめて課題図書ぐらいは読んでくれというあれ。
それと、あっけらかんとした言い方をすると、文章の題材として読書が手っ取り早いからっていうのもあるんじゃないかなと思う。
勉強の基本は読み書きそろばんだが、"読む"ネタは活字があふれてる現代苦労しないし、"そろばん(計算)"も優れたドリルがたくさん出版されているけど、"書く"に関してはネタを用意するのが地味に大変である。
私含め多くの人はネタなんてそうやすやすと見つけられない。
私はこのブログをもっと高頻度で更新したい!文章が書きたい!と常日頃思っているが、ネタがなくてあまり更新できていないのが現実である。
そんな現状で、ネタとして手っ取り早いのが読書である。
金銭的にも時間的にもみんなにやってくれと頼むのに現実的な範囲におさまる。
社会問題や自然現象などに対して意見を文章にまとめるのも、ある程度学年が上がったら必要だが、これらに対する意見をまとめるためには前提知識としてある程度の勉強が必要となる。
(前提知識に基づかない議論・意見ほど不毛なものはないと思ってる。)
その点、読書感想文は本をうまく選べば、その本の内容と、もともと持ってる経験や知識だけで書けるので気楽だ。
読書感想文の課題
といままでいろいろ書いてきた理由から、読書感想文を無くすべきとはとても思えない。
でも問題点がないわけじゃない。
書けと宿題で出されても、原稿用紙の使い方などめんどくさいところは教えてもらっても、肝心の何を書くか、どう考えるか、なんかまでサポートできる先生はなかなか少ないので、どうしたらいいかわからずほっぽり出される感じが否めない。
ていうか指導できる技量があっても、担任一人でクラスメート全員も寄り添うのなかなか現実的じゃないし。
それでやり方わからないなりにとりあえず書いたら書いたで「おもしろかった」「つまらなかった」じゃダメなんて添削が返ってきたりして。
あと学校の課題で書く文章は「いい子ちゃん」で書かなきゃっていう妙な圧力を勝手に感じてしまいがちだし。
(実際に教師が圧力かけてなくても、生徒はそういう風に考えてしまいがちだよね)
つまらないと感じたなら、そう感じたなりに書いても別に構わないと思うのだが、それを暴言としてではなく説得力を持って伝えるにはなかなかの技術が必要で。
逆に良い子ちゃんの文章を目指せば、名文には書けずともとりあえずいい子ちゃんにはなれるし。
でも作ったいい子ちゃんの感想なんて別に感想じゃないし、不毛だなあと書いてる自分で思ってしまうんだよなあ。
読書感想文を書くこと自体は必要なことだと思うけど、その指導体制が整っていないのが問題なんだと思う。
…まあぶっちゃけ私自身はもう読書感想文を強制されることはないけれど、下書きにため込んだレビューを書き進めなきゃなあ。