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オペラ座の怪人は凄い

劇団四季の新しくなった秋劇場のこけら落とし公演、オペラ座の怪人も約1年3か月の公演期間を経て千秋楽を迎え、明日からはいよいよ大阪公演が始まる。

私は今回の東京公演で初めて生のオペラ座の怪人の舞台を観たのだけれど、そのまま魅了されて何度も足を運ぶことになってしまったので、その魅力を語っていきたい。

ちなみにこの記事のタイトルは劇団四季の宣伝コピーの「劇団四季オペラ座の怪人は凄いらしい」からとってきた。
本当に凄いので、○○が凄い!という切り口でちょっと語ってみる。

曲が凄い!

まあなんといってもアンドリュー・ロイド・ウェバーの名曲たちの洪水

タイトルロールやミュージック・オブ・ザ・ナイトはあまりにも有名すぎる名曲だし、

オペラ座の怪人

オペラ座の怪人

ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイト

ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイト

  • Michael Crawford
  • ミュージカル
  • ¥255

それ以外にも、メインを張っていくような名曲がぞろぞろと。

シンク・オブ・ミー

シンク・オブ・ミー

オール・アイ・アスク・オブ・ユー

オール・アイ・アスク・オブ・ユー

  • Michael Crawford
  • ミュージカル
  • ¥255

ザ・ポイント・オブ・ノーリターン

ザ・ポイント・オブ・ノーリターン

  • アンドルー・ロイド・ウェバー & 劇団四季ロングラン10周年記念キャスト
  • ミュージカル
  • ¥255

私はとにかくAll I Ask of YouとThe Point of No Returnが大好きでいつもスマホで聴いている。

しかもこれらの旋律がリプライズとして何度も何度もここぞ!というところで繰り返し流れることでとにかく感情を揺さぶってくる。 リプライズというかここでこういう曲を使ってくるのがずるすぎる!!!!っていう話は正直ここで書くよりも1本記事にしたくて、絶対いつか書くので待っててください!

演出も凄い!

舞台の使い方、大道具、小道具あらとあらゆる演出がこりゃまた良い。

まず舞台の使い方がなんというか豊かというのかなあ。
まず直線的な話をすると、舞台のまんなかだったり、上手側だったり、下手側だったり、いろんな場所を使っていくわけれど、それが「何となく」じゃなくてきちんと練られて意味がある(気がする)。
そこににさらに手前側だったり奥側だったりと奥行きがあり、はたまた上下にも使っていくので、なんというか鮮やかだし、表現がこまやかだなあと思う。

そして舞台の使い方の良さをより深めているのは大道具。

特に鏡からファントムが出てきて初めてクリスティーヌを地下室に連れていくあの場面素晴らしすぎませんか。
実際には2,3分くらいしか移動時間はないんだけど、それでもすぐに辿りついてしまうような近い感じがしなくて、ひとつドラマになっているところがほんとうにミュージカルのすばらしいところ。
歌という装置の力ももちろんなんだけど、そこに上手から下手、高いところで下手から上手、そして奥から手前という3次元の動き、そしてなによりも吊り橋や燭台といった大道具がここぞというタイミングで出てくるからこそだと思う。

また劇中劇ではボックス席をあそこに配置して、幕なんかも有効活用しながら、舞台上だけでなく劇場全体をオペラ座にしてしまう大胆さ。

そして大道具といえばなんといってもシャンデリアは外せない。
シャンデリアがゆらりと登っていきながら、冒頭のオークションの場面からファントムが暗躍する19世紀末のオペラ座へ誘っていくあの場面がとにかく印象的で、思い入れも深い。

キャストが凄い!

メイントリデンテ(急に宝塚みたいな言い方をする)はかなりいろいろな俳優さんで観ることが出来たので、それぞれ語っていこうと思います。

オペラ座の怪人

ファントムは今季出演していた4名(佐野さん、飯田さん、岩城さん、清水さん)全員観ることが出来た。
佐野さん以外全員今季がデビューとはとても思えないアツさ。

初めて観たときは飯田ファントムだったので、飯田ファントムのことを親だと思ってる節がある。
初回とあともう1回、それとALWコンアンマスクドで歌ってるのを聴いてるけれど、なんといっても丁寧にガッツリと歌う。
ALWの楽曲はしっかり感情や物語、場面の雰囲気を表現してくるので、丁寧に歌うことでしっかり物語が伝わってくるところがけっこう好き。

そして1度だけ拝見できた佐野ファントムは、色っぽいというか、一言で表すとすれば「エンジェルオブミュージック」
殺人鬼だし、好きな娘めがけてシャンデリア落とすし、ろくでもないやつ(というか犯罪者)なんだけれど、それでもなぜファントムを選ばなかったんだろうと思わせてくるようなファントム

岩城ファントムは幼さと狂気の、わたしのなかのファントム像にかなり近いファントム。
アルプ*1でのファントム対談でオーディションの時にもおっしゃっていたけれど、5,6歳の少年がいる、大人っぽくない自分がいる、そういうところがよくファントムという役と良い反応をしている。
だんだん自分らしいファントムが出せるようになって演技も変わってきたのか、タイトルロールでどこが録音でどこから生歌なのかけっこうわかりやすいので、ぜひ大阪までに録りなおして欲しい。

遅れてデビューを果たした清水ファントムはデビューしてから2回目か3回目に1度観たのだけれど、感情が激高しやすく、色っぽさもあるこれからが楽しみなファントム。(千秋楽付近にはもっと進化してたんだろうなあ)
The Mirrorの怒り狂いっぷりがもう激おこぷんぷん丸ムカ着火ファイヤー(古い)でとにかく印象的。とにかくよく燃えている。

クリスティーヌ役

クリスティーヌ役は、岩城あさみさんは観ることが出来なかったものの、他の3名で拝見することが出来た。

紗衣クリスは私の親クリス。
どこか夢見がちな普通じゃない娘感があって、歌でしっかり表現してくるクリス。
あとThe Point of No Returnが本当に大好き。心がいつもざわざわする。

次に観たのが海沼クリスで、アナ雪が忙しいのか1回しか観れておりません。
1回しか観てない感想で恐縮だけれど、一言でいうととにかくかわいい!イルムートの全力お掃除がたまらない。
ピュアさが光るクリスだなあと私は思う。

そしてくぼかなクリス
紗衣クリスとは違って、最初はふつーの女の子って感じがする。カルロッタのセリフを借りれば「小娘」
そんな少女がどんどん覚醒して歌姫に駆け上っていく感じがたまらんのです。

ラウル役

加藤廸ラウルは今季デビューだそうだけれど、安定感がえぐい。あとお声が好き。
爽やかの権化って感じで勝手に爽やかがミドルネームなんじゃないかなと思っている。

加藤ラウルは子供らしさと大人の男性のカッコよさの塩梅が最高なんだよな。
ファントムも子供らしさと大人の男性らしさが混ざった人だと思うんだけど混ぜ方が全然違うところがこの差なのか…。

光田ラウルのほうが見る回数が少ないのだけれど、なんとなくこちらが正統派なラウルな気がする。 背が高くて、歌がうまくて、高貴で、そしてなんといっても大人。

ほかにも

もちろんメイン3人だけでなく、他にもたくさんの素晴らしい役者さんによって舞台が生まれている。

オペラ歌手のカルロッタ、ピアンジはもちろん、マダム&メグ・ジリー、愛しい支配人たちにいたるまでとにかく歌唱力が要求される作品なので大変そうではあるけれど、その分観客としてはいつも圧倒させられて最高。

何度観ても凄い

オペラ座の怪人の凄いところはなんといっても何度観ても毎度感情を揺さぶられるし、新しい発見も結構あるところではないかと。

演出が細かくよく寝られているので、正直なところだとアンサンブルの動きまで含めて1回観るだけで把握することが出来なくて、前回と違うところ見てみたらこういう風に動いてるんだ!ってことがしばしば。

そして基本的にダブル、トリプルキャストなので役者さんごとに演技が違うのもあるし、組み合わせによって新しい顔が見えるのもけれど、それだけじゃなくて、たとえまったく同じ俳優さんでもどんどん進化していくところが凄い。

あと正直なところストーリーってよくわかんないっちゃよくわからないんだけれども、だからこそ毎度違うような顔を見せておもしろさにつながっていると思うし、俳優さん方の腕の見せ所。

千秋楽に初めて、「ずっと受け身で夢見る少女だったクリスが、ファントムとの交流や理不尽だったことを通して成長して、最後の地下室で初めて自我を持って行動した」という物語に見えて、びっくりしてしまって。
セリフではいやだいやだといいながらも、ウェディングドレスに着替えベールをつけられ、ブーケを持たされたのに、ラウルがやってきてファントムとなんやかんややり合い、何かをスイッチが切り替わり、ブーケとベールを投げ捨てたのにドラマが見えたの…。
別に、いままでクリスのことを自分で考えない、とか思ったこと一度もなかったのにね。

だからこそ、大阪公演でどういうドラマが生まれるか観に行きたいと思っているし、チャンスがあれば劇団四季以外の海外の公演も観に行きたい。
まあ言語的な壁があっていちばんドラマが入ってきやすいのは劇団四季Ver.な気がしているけれど…。

*1:四季の会の会報