先月末に公開された「ミラベルと魔法だらけの家」(原題: encanto)を吹替で観てきた。
以下、ネタバレあり感想です。ご注意ください
まず同時上映の短編から
映画館でディズニー映画見るのが久しぶりすぎて、まず短編映画流れてきたとき「そうだ、まずは短編があるんだった」っていうのを思い出すところからだった。
ホントにコロナで映画館でディズニー映画見ることすらものすごく久しぶり。
そして今回の「ツリーから離れて」、大変良かった…。
今のディズニーこういうタッチも描けるんだという、どこか平面的で素朴感のあるタッチ。
Papermanのような2Dと3Dの融合なんだけれど、色彩感覚がどこか水彩画っぽさもある独特のタッチ
やはりディズニーは動物のアニメーション作らせたらピカイチ。
比較的擬人化が控えめで、言葉も話さないけれど、それでもアライグマ親子の生き生きと感情や物語が見えてくる感じ。
この辺のバランス感覚が素晴らしい。
そして詩的に紡がれていくストーリーが秀逸。
意外な展開などは一切ないけれど、胸にすっと物語が入ってきて考えさせられるなあ、という映画。
邦題がちょっとしっくりこないけれど、"the apple doesn't fall far from the tree"ということわざから来ているのか。
「りんごは遠くに落ちない」、日本語で言う「蛙の子は蛙」のように、子どもは親のあとを継ぐものという意味のことわざだそう。
doesn'tを落としてfar from the treeとしているので、鳶が鷹を生むというほど親子の差はなくても、次世代に引き継がれるにあたって少しずつ変わっていく、よくなっていくっていうことなのかなあ。
気合入ってるミュージカルシーン
そして、いよいよ本編の「ミラベルと魔法だらけの家」だけれど、「4年ぶり!新作ディズニー・ミュージカル!」と宣伝しているだけあってとにかく歌って踊る!
ついつい踊りたくなっちゃううっきうきの音楽たち!
口ずさむにはめっちゃ難しいので歌えないけど!笑
導入の家族紹介のこのノリッノリっぷり!
ブルーノおじさんのことを歌った歌も、歌詞の内容はさておき曲が大好き。
主人公のミラベルだけでなく、お姉さん2人をはじめとする家族たちも歌で見せ場があってとにかく華やかなミュージカルシーンが盛りだくさん
圧倒的な映像美
ミュージカルシーンをより印象的にしているのが、進化し続けている映像美
ここ最近のディズニーやピクサー映画観るたびに毎度思うけれど、とにかく映像が美しい。。。
なんといってもディズニーのアニメーションは静止画として魅力的な以上に、動画として細やかなところまで行き届いていて綺麗。
舞台となったコロンビアの豊かな色彩、長姉の花の魔法の美しいこと…!
ミュージカルシーンが続いて、カメラワークが派手で上へ下へとどんどん視点が動くこともあり、なんかずーっとPV観てるんじゃないかってくらい華やかだった。
ミラベル絵が綺麗で色彩が華やかでカメラワークもゴージャスでなんかずうっとPV観てるみたいな感じだったしすごくあっという間だった
— すぴ🐭🎀 (@spica_mic) 2021年12月1日
ストーリーは、
この作品の主人公は、家族の中で唯一魔法が使えない子で、気にしていないかのように気丈にふるまっているけれど内心は穏やかではない。
物語の時間軸が、ミラベルの次に5歳を迎える家族がギフトをもらったというところが、ミラベルの不安さを出すのに絶妙。
かといって魔法が使える姉たちも「私の魔法で世界を救うっキラキラっ」とはいかず、どこか陰のあるところもしっかり描かれている。
おばあちゃんの、家族を守るための想いが家族を縛り付けてしまうというのも妙にリアル。
そこにミラベルが「家族壊してるのはおばあちゃんだよ!」と切りかかっていくところも良かった。
ただ結末はあれでハッピーエンドととらえていいのかなあ…?
結局ちょっとおばあちゃんがやさしくなっただけで、物語開始前とほとんど状況変わってない気がする。
魔法は戻らないけど家を再建し家族で幸せに暮らしましたとさとか、逆にいっそのことミラベルにもギフトくれたらよかったのにな。
話を聞いて本当の想いを掬い上げるギフト、とかどう?
とにかく登場人物全員みんな他人想いで、他人の役に立つという点に自己の存在意義を求めている気がして、ちょっと私には苦しいなと思う部分もあった。
もっと自分を大事にしたらええんやで…!
さいごに
以上、吹替での初見感想でした!
歌のシーンは字幕のほうが意味が入ってきやすいかなあ、という気がしたので、Disney+に来たらミュージカルシーンだけでも字幕版で見直したいなあ。