シュガーラッシュ:オンライン、予告を見てからずーっと楽しみにしていた。
プリンセス大集合出てたのはもちろん、シュガーラッシュ×オンラインっていう設定自体ががもう反則感ある。
期待MAXで、でも予告をちらっと見た以外情報を仕入れずに、誰が声やるかとか全然知らなかった
年末に吹き替えで観てきた。
期待通りで、でも期待そのままじゃないそんな映画だったので感想をまとめておこうと思う。
まだ観ていないあなたへ
インターネットに触れている人はてなブログにたどり着いている時点できっと読んでる方はみんなそれなりに触れていると思うにはクスッと笑えるような小ネタの嵐が吹き荒れてる。
だからといって、ネタばかりかというとそんなこともない。
何年も変わらないような大事なメッセージが込められている。
今だから輝くネタをちりばめつつ、普遍的なテーマを扱った作品だ。
だから観るなら、今、だ。
ネタバレを目的としたわけではありませんが、これ以降は物語の核心にも触れますのでご注意ください。
鑑賞後のご閲覧を推奨します。
インターネットの世界の作りこみがすごい
なんといってもこの映画で特筆すべきは、メインの舞台となる、インターネットの世界の描き方。
目には見ることができないインターネットの世界が、最先端の都市のような、でも現実感がほどよく薄まったタッチで描かれている。
そしてなんといっても、Google, Facebook, amazon, Youtube…と誰もが知ってるサービスががんがん出てくるのがわくわくする。
青い鳥がさえずってるのとかツイカスとしては見逃せなかったよ
それで、ゲームキャラである主人公2人は、googleのことをゴーグル屋か?とかいっちゃうようなくらいインターネットのことをなんも知らない。
前提知識としてインターネットのことをいろいろ知っている私たち観客とのギャップが面白い。
あと、インターネットのあるあるがうまくデフォルメされているのもクスクスした。
ノウズモア(検索エンジン)の早とちりな感じとか、ポップアップ広告の描写とか。
ちょっとアダルティな広告(人妻みたいな?)とか出てたけど、ディズニー作品なのに大丈夫?w
ディズニーだからこそ
ディズニー作品だからこそだなあ、と思った瞬間もたくさんあった。
なんといっても、ディズニープリンセスをはじめとしてディズニーが権利を持ってる作品大集合していて画面が豪華。
ミーハーって言われるかもしれないけど、やっぱ画面が豪華だと圧倒される。
エンドロールでそれぞれのキャラクターの声を当てた方々のお名前がキャラクターの名前とともにバーッて流れてきたときにふぁーwwwってなるくらいにとにかくみんな大集合だった。
予告で注目を浴びたプリンセスのシーン、
プリンセスの定義とかプリンセスの部屋着姿とかで話題になったと思うんだけど、私がいちばん「ありがとうディズニー様~~~~~~」ってなったのは最後のラルフの救出のシーン。
短いシーンにたくさんのプリンセスが登場してたけど、それぞれのキャラの個性や魅力がきゅっとつまっていてよかった。
旧世代的な価値観だと揶揄されることもあるけど、みんなきりっと自分があってかっこいいと私は思う。
そしてそんなプリンセスに引きずられるようにして、ヴァネロペのI Wishソングがあったのも良かった。
「突然歌うなんておかしいよ」なんて揶揄されようが、ミュージカルは最高なんだよ。だって最高だから。
たとえ舞台がスローターレースでもね。
あのカメラワークでミュージカル特有の浮遊感のあるアニメーションを作れるのはやっぱりディズニーさすがディズニー。
もっとミュージカルやってくれてもよかったのに(でもそれはシュガーラッシュとは言えないかも)
そして、やっぱりディズニー映画はキャラクターが魅力的だなあ。
もちろん弱い部分もあるキャラもいるけれども、でもなんだかんだみんな心が強くて優しくて。
そしてなによりもキャラクターの性格や設定の作りこみがしっかりしてるから観客である私がその気持ちに入り込めるのが強み。
新キャラも、イエス、ノウズモア、スパムリーといい味出してるキャラがそろっていて、なかでもシャンクがカッコイイオネイスァンって感じで最高だった。
あと細かい遊び心が炸裂していた。
エンドロールの右端がパソコンから見たときのスクロールバーになっていたのがめっちゃお気に入りなんだけど誰かわかる人いない…?
おもしろいとかおもしろくないとかだけじゃなくて、細かいところで遊んでるのがめっちゃ好物なのでたまらなかった。
今だからこその小ネタと普遍的なテーマを同時に扱った作品
インターネットの中でもさらに、何でも買えるネットオークション→オンラインゲーム→動画投稿サイトでお金稼ぎ→(oh my Disney) という舞台設定が今っぽくて絶妙。
…でもこれって裏を返すと、10年後20年後先に観たらと何となくレトロだなあって思ったり、もはや意味が分からなくなってたりしない?!???!??
10年20年どころか80年前*1のディズニー映画も楽しんでいる身としてはちょっと心配になってしまう。
あと、時代だけじゃなくて住む場所によっても受け取り方が違うんじゃないだろうか…。
例えば、私はかなり重要な舞台の1つのebayを知らなかった。アメリカに本社を置く、超巨大ネットオークションだそうだ。
ebayを当たり前に使う人たちは、このシーンを私とは異なるように受け止めただろう。
かといって今だけの話かといえば、根底に流れるテーマはもっと普遍的で変わらないこと。
大切な人が、自分とは異なる生き方がしたい、と思ったとき、大切な人だからこそ受け入れるべき、と素直に受け入れられるほど単純な話でもないのがド正面から描かれていた。
客観的に見てたらもちろんウイルス撒くなんて…って思うけれども当事者だったらそんな綺麗事ではすまない。
これって、友人関係に限らず、親子や恋人でも当てはまると思う。誰にとっても意外と身近な課題だ。
途中私には、ラルフがいかにも子離れできない親に見えてきて観てて辛かった。
まあストーカー化する元彼には見えなかったのがほんとに救いだった。恋愛感情描かれてたらほんとしんどかったと思う。(ラルフとヴァネロペに限ってそれはありえないけど)
紆余曲折あって、最終的にはヴァネロペの夢をラルフは受け入れて、お別れするシーンがあっさりしていて、だからこそリアルでほろ苦い。
でもふたりの関係が終わる、というわけでもない。
「シュガーラッシュ:オンライン」だけに、インターネットを介したコミュニケーションツールが助けてくれるところまで描かれていたのは救いだった。
ただ、普遍的なテーマが、あふれんばかりの現代ネタに埋もれてしまっている印象は拭いきれない。
「親友と違う道を選ぶこと」というテーマを中心としてとらえると、肩透かしを食らうが、笑える時事ネタやディズニーネタの嵐に変わらない何かが紛れてる、てとらえるといいのかな。
さいごに
少し否定的なことも書いちゃったけれども、なんといってもこの映画を観てる間めっちゃ楽しかった。
映画でいちばん大事なのって、観てて心が動いてるか=(たとえ悲しいストーリーでも広義で)楽しんでるか、だと思う。
だから、ざっくりいえば「いい映画」だったことは間違いないし、ぜひ興味ある方がいるなら、"いま"見に行ってほしい。
*1:白雪姫の公開は1937年